家族で明るく生きていこう

夫婦で鬱病、娘はASDと統合失調症で、息子以外は病んでますが、何とか明るくやっています。

不幸の足音②

2017年6月22日、例年なら毎年10月に、年に一回夫婦二人きりで一日一組貸し切りでランチを食べさせてくれる特別な店に行っていたんですが、その日は7月の手術を頑張って乗り切ってもらうためにも、運良く入院前に予約できたので、その店に車で向かっていました。

 

道中、病気の不安をまるで忘れたかのように、ランチの話題などで盛り上がり、嫁は笑顔でいたんですが、もう少しで店に着くという時に、テレビから流れてきたニュース速報で車内の雰囲気は一気に凍り付いてしまった‥

 

それは、市川海老蔵(現・團十郎)夫人である、麻央さんの訃報だった‥

 

同じ病気と闘っていて、自分と子供たちの年齢も近く、家族構成が一緒だった麻央さんは、嫁にとって同じ病気と闘う目標であり、同志のような存在だったに違いない。訃報を知り普通の状態でいられるはずもなく、ずっと、「可哀想に‥、可哀想に‥」とだけつぶやきながら、ただひたすら泣き続けていた。

 

その日を境に嫁の情緒は非常に不安定になり、「子供の成長した姿を見るまで死ぬわけにはいかない」、と気丈にふるまう日もあれば、「治らないのかもしれないんだったら、手術なんて受けないで、家に帰って死ぬまで子供たちとずっといっしょにいたい。」と泣き崩れたり、日によって、時には時間によって情緒が目まぐるしく変わっていた。

 

そのような母親の姿を見て、子供たちも小さいながらにも敏感に反応し、家に帰ってから、なだめて普通の生活をさせるのが本当に大変だった。

 

その後、主治医の指示で精神科を受診したら、鬱病という診断結果だった。手術を延期して、もう少し落ち着いて、気力が少しでも充実してから受けるという選択肢もあったが、嫁のご両親や友人等の励ましもあり、予定通り決行されることとなった。

 

話がちょっとそれるが、よく保険会社のいい加減なCMの知識で、「二人に一人は癌になるんだから。」と励ます人がいるが、あれは相手を見て判断したほうがいい。あのデータは確か80歳以上の人たちの事で、30歳代で癌を患う人は僅か数%しかいないという事実を知っておいてもらいたい。

 

どうにか嫁は無事に手術を受けられそうだとなり、私もちょっとホッとしていたのだが、私が見落としていたところで、別の不幸が急速に進行していた‥

 

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